サバレス(Savarez)のクラシックギター弦の種類と見分け方

サバレス社は、1770年にフランスで設立されたメーカーです。オリジナルの設計で、音の安定性も品質も他のメーカーに勝るとも劣らない弦を提供し続けています。
このサバレス社の弦も数多くの種類と組み合わせがあり、頭の中で整理がつかないと、違いを意識していてもあまりわからないというのが正直なところです。

この記事では、品番やパッケージの違いなどからの弦の見分け方と、サバレス弦の私の使用感とをまとめていきたいと思います。

弦は低音弦と高音弦の組み合わせが基本

オーガスチンの弦の解説ページでも書いたように、セット弦の名前やパッケージは高音弦と低音弦の名前をミックスしているものがほとんどです。

サバレス社の弦も同様で、低音弦のカンティーガ、コラムなどの種類と、高音弦のアリアンス、ニュークリスタル、クリエイションなどが組み合わされています。

商品の数やギタリストが使用している弦を見ると
高音はニュークリスタルというナイロン弦
低音はカンティーガという巻弦
が日本では主流のようです。

低音弦は6種類

サバレス社の低音弦は次の6種類あります。

コラム(一般的な弦)

カンティーガ(最近の主流)

トラディショナル
(ピンクラベルと言わている。)

レオニーダ
(たぶん日本では売っていない。)

HTクラシック
(白地に赤・青の袋)

クリスタルソリステ
(赤か黄色の袋)

弦のパッケージ

どの弦もパッケージの中央に名前が記されています。6種類あるとはいえ、よく見かけるのは、コラム、カンティーガ、HTクラシックかと思います。

また、パッケージ上部の帯の右側にも表記されていて、帯の色が水色ならハイテンション赤色ならノーマルテンションを表しています。
(CORUMやHTクラシックはデザインの三角や斜線の色がテンションを表しています。)

高音弦は2種類と+1

高音(1〜3)弦は2種類あります。フロロカーボンを用いたアリアンスとナイロンのニュークリスタルです。

+1とタイトルに書いたのは、1,2弦にニュークリスタルのナイロン弦、3弦にアリアンスのカーボン弦をセットにしたクリエイションという商品があるためです。

アリアンス・・・・・フロロカーボン弦
ニュークリスタル・・ナイロン弦
クリエイション・・・アリアンスとニュークリスタルの混合セット(3弦がアリアンス)

マニアック!パッケージの型番で弦を見分ける

これまでの内容で、ひとまず弦の区別はつくようになります。それだけでは満足できないという方のために、型番の構造を見てみましょう。

型番は中央に
5から始まる3桁の数字とアルファベット

パッケージをよく見ると3桁の数字がふってあります。
画像では540。
この数字のそれぞれの桁に意味があります。
百の位 5 クラシックギター用の弦
十の位 4 低音弦の種類
一の位 0 セット弦は0、それ以外は弦の番号

ということなので、クラシックギターを弾く人が気にしなければならないのは、十の位の数字を注意しておけばよいということになります。

十の位の数字が低音弦の種類

“5○0” がサバレス社ではクラシック用のセット弦であることがわかりました。では、続けて、○に当たる数字と低音弦はどのように対応しているのかを見ていきます。

○(十の位)の数字
0 コラム
1 カンティーガ
2 トラディショナル
3 レオニーダ
4 HTクラシック
7 クリスタルソリステ

アルファベット1文字目は高音弦の種類

 A アリアンス・・・・・フロロカーボン弦
 C ニュークリスタル・・ナイロン弦
 M クリエーション・・・アリアンスとニュークリスタルの混合セット

アルファベット2(3)文字目はテンション

 R ノーマルテンション
 J ハイテンション
 RJ 高音がノーマルテンション 低音がハイテンションの組み合わせ

アルファベット最後の文字はプレミアムかポリッシュ

P プレミアム・・・高級弦 
H ポリッシュ・・・研磨弦

ということで、ようやくこれでサバレス社の弦の組み合わせを一度バラバラにすることができました。

パッケージからおさらい

クイズではないですが、画像のパッケージの弦をこれまでの識別方法で読み解くと、

510からクラシックギター用のセット弦で
低音はカンティーガを使用。
Aなので高音はアリアンス
Rからノーマルテンション
Pもあるのでプレミアム
ということになります。

もう一問。
510なので、同様にクラシックギター用のセット弦で
低音はカンティーガを使用。
Cなので高音はニュークリスタル
RJは高音がノーマル、低音がハイテンション
さらにPでプレミアムという意味。

サバレス弦の使用感

サバレス弦は全体的に明るい音がでる印象です。

その特徴ゆえに、共鳴音や残響音が出やすい楽器で使用すると、物によっては「鳴りすぎる」、「うるさい」と感じるかもしれません。

一方で、少し音の出にくい楽器で使用すると、華やかで明るい印象が上手く融和する印象です。

量産ギターを使用している方やハウザー系の鳴りにくいと言われている楽器をお持ちの方も一度試してみる余地はあると思います。

一時期アリアンスの3弦を張るということが人気となりました。

他のメーカーの3弦に比べて弦が細く押さえやすく音の伸びが良いということが理由だったと思います。

実際、太さは細いのですが、音質については好みや楽器との相性ということになります。

ということで、サバレス弦のまとめでした。
長文読んでくださりありがとうございます。