ラ・ベェラ(La Bella)のクラシックギター弦の種類と見分け方
2001シリーズ Eliteシリーズ Vivaceシリーズ
ラ・ベラは(La Bella ※現地語読みで言うとラベジャになるのでしょうか?)は、ニューヨークに本社と工場を構えるクラシックギターやフラメンコギターの弦メーカーです。
現在もハンドメイドでの製造を続けている会社です。
発祥はイタリアで、かつてL.A.G.Q.で活躍したアンドリューヨークさんや山下和仁さんをはじめ世界中の芸術家に愛され続けています。
最近のオーガスチンやダダリオのプロアルテシリーズ、サバレスのカンティーガシリーズにやや押されている感じはあるにせよ、根強い人気のある音質や品質では引けを取らない良品です。
- 1) 主な3種類のシリーズ
- 2) 主力シリーズを徹底解説
- 2-1) 一般的な2001シリーズ
- 2-2) 黒いナイロンと低音金合金があるEliteシリーズ
- 2-3) 高音カーボン使用のVivaceシリーズ
- 3) 廉価版や大きめギターの弦、合奏用ギター弦も
- 4) 使用感
★目次★
1) 主な3種類のシリーズ
フラメンコギター用の弦やボールエンド(フォークギターに取り付けられるナイロン)の弦を除くと、ラ・ベラ(La bella)の弦は大きく分けて3つあります。
2001シリーズ、Eliteシリーズ(900と大きく書かれているパッケージ)、Vivaceシリーズがそれぞれ高音弦、低音弦の特徴を生かしたシリーズとなっています。
2) 主力シリーズを徹底解説
2-1) 一般的な2001シリーズ

高音:クリアナイロン
低音:銀メッキの巻き弦
テンションはライト、ミディアム、ミディアムハード、ハードと4種類あります。
※ただし低音に関してはほとんとテンションは変わりません。
2-2) 黒いナイロンと低音金合金があるEliteシリーズ


Elite900シリーズには2種類あります。
パッケージにBが付いているシリーズはナイロン弦が黒色Blackです。
高音:クリアナイロン or 黒色ナイロン
低音:金合金の弦
テンション:ミディアムのみ
クリアナイロンと黒色ナイロンは、文字通り色が違います。黒色ナイロンはウクレレやベースなどに使われが多い弦です。
透明色のクリアナイロンに比べて黒色ナイロンは音の粒立ちや音の立ち上がりの面で優れていると言われています。
また、低音弦に金合金が用いられているのも、見た目の華やかさや黒色ナイロンとのバランスを考えてのことと考えられます。
2-3) 高音カーボン使用のVivaceシリーズ

高音弦にカーボン弦を使用したVivaceシリーズ
高音:フルオロカーボン
低音:銀メッキの巻き弦
テンション:ミディアム、ハード
※低音のテンションは同じで、品質としても2001シリーズとほぼ同等と考えて良いでしょう。
他の弦メーカーと同様に、高音にカーボン弦を用いたシリーズです。カーボン弦の特徴は言うまでもなく、クリアナイロンに比べてピッチが正確で耐久性にも優れているという点です。
カーボン弦が良いのか、黒色ナイロン弦が良いのかは悩みどころではありますが、それはあくまで弦を張ってみてからというのはこのサイトを通した見解です。
3) 廉価版や大きめギターの弦、合奏用ギター弦も
ダダリオのプロアルテシリーズにもあったように、スクール用に廉価版の弦も用意されています。多少、耐久性が落ちる可能性はありますが、練習用、入門用としては問題ないと思います。
エメラルドグリーンのパッケージはSweetoneという商品名。
2001シリーズの廉価版と考えて良いでしょう。
655mm〜664mmの大きめのギターに対応した弦や、合奏用ギターであるアルトギターやバスギター用の弦も販売されています。
実物をみたことはありませんが、セゴビアが弾いていたギターはきっとこうした大き目ギター用の弦を張っていたのだろうと推測しています。
4) 使用感
ラ・ベラ(La Bella)の弦は、全体的にふくよかな音が出る印象です。テンションの数値よりも弾き心地が柔らかく感じるのもそのためかもしれません。
フラメンコギターから出てくるような鋭い音ではなく、厚みのある柔らかい音という感じです。どういった楽器と相性が良いのかはわかりません。
参考例として、西野春平さん作のハカランダを用いた楽器に張られているのを聞いた時のことを思い出すと、普段深いタッチで演奏する方にしては丸みのある音だったと思います。