ダダリオ(D’Addario)のクラシックギター弦の種類と見分け方

ダダリオ(D’Addario)社はアメリカ合衆国に本社をおく弦のメーカーです。ひょっとするとダダリオという名前よりもプロ・アルテという名前を聞き慣れているかもしれません。

クラシックギター弦以外にも、ベースやアコースティックギター、エレキギターの弦も取り扱っています。

ダダリオ(D’Addario)社の歴史については、ホームページを参考になさってください。豚や羊の腸(ガット)でリュートやギター、ハープ、バイオリン等の弦を作っていた頃から、ナイロン弦の誕生、そして今日のカーボン弦を製造するにいたる歴史が綴られています。

1) 7種類のプロアルテシリーズ

有名なダダリオ(D’Addario)のクラシックギター弦の代名詞ともいうべき、プロアルテ(PRO-ARTÉ)シリーズは7種類あります。
そにほかに、最新のXT CLASSICALの他、STUDENT CLASSICSFOLK NYLON、の3種類があり、いずれも6本のセット弦、3本のハーフセット弦、バラ弦など種類もバリエーションも数多く取り揃えられています。

まずは、代名詞ともいうべきプロアルテシリーズについて詳しく見ていきましょう。

プロアルテシリーズも他のメーカーと同様に、低音弦と高音弦の材質の組み合わせによってネーミングされているので、それぞれの違いを見比べることで弦の種類を理解できるようになるかと思います。

1-1) 低音はナイロンコア、ダイナコア、コンポジット

低音弦はコア素材の材質とそれに巻きつける素材の違いによって分類されています。

 ナイロンコア
 ナイロン素材に銅や銀の素材で巻いた物

 ダイナコア
 極細の繊維を束ねて縒り合わせた素材に
 シルバープレーテット加工(銀メッキ)の素材を巻いた物

 コンポジット
 多繊維・鎖状の素材にシルバープレーテット加工(銀メッキ)の
 銅素材を巻いた物

さらに、これらの弦を研磨していくつかの加工を施したものがあります。

1-2) 高音はナイロン、カーボン、チタニウム

高音弦は、ナイロン弦の他にカーボンとチタニウムの弦が用意されています。

 ナイロン
 弦はレーザーで検査をして出荷しているものと
 レーザーで加工されてものなど、弦の精度を高める工夫がなされ
 ています。

 カーボン
 フッ化炭素素材を用いた弦で、
 ナイロン弦に比べてややテンションは強めになっています。

 チタニウム
 ナイロンにチタニウム添加剤を加えた弦で
 色が薄紫色になっています。余韻が残りやすい感じです。

1-3) プロアルテ7種類の材質とネーミング

商品名

プロアルテ
ナイロン
PRO-ARTÉ NYLON

低音弦素材

ナイロンコア

高音弦素材

ナイロン

パッケージ

プロアルテ
カーボン
PRO-ARTÉ NYLON

ダイナコア

カーボン

プロアルテ
ダイナコア
PRO-ARTÉ
DYNACORE

ダイナコア

チタニウム

EXP
クラシカル
EXP
CLASSICAL

コンポジット

ナイロン

プロアルテ
コンポジット
PRO-ARTÉ
COMPOSITE

コンポジット

1, 2弦はナイロン
3弦はナイロンと
コンポジットの
2本入り

プロアルテ
コンポジット
PRO-ARTÉ
LIGHTLY POLISHED
COMPOSITE

コンポジットを
さらに研磨

1, 2弦はナイロン
3弦はナイロンと
コンポジットの
2本入り

プロアルテ
レクティファイド
PRO-ARTÉ
RECTIFIED

コンポジット

センターレス技術で研磨
※円筒の外周面または内面を加工できる研削盤で研磨

2) テンションは色別でわかりやすい

先のプロアルテシリーズの解説で用いたパッケージの中心の丸の色は、全て赤色になっています。
これは意図時に選びました。パッケージの違いを見やすくするためです。そしてこの赤色はノーマルテンションを表しています。

テンションの強い順に並べると
紫色:EXTRA Hard
水色:Hard
赤色:Normal
橙色:Light

となっています。
セット弦の場合は6本とも色が示すテンションになっています。

そしてプロアルテ レクティファイドにだけLightとNormalの中間のMederateがあります。

※緑色ラベルはフラメンコ弦にも用いられています。

7種類のプロアルテシリーズとテンションはご理解いただけましたでしょうか。
この次は、プロアルテシリーズ以外の弦も紹介していきます。

3) XT Classical

2019年10月21日から日本で販売されることになった新しい弦がXT Classicalです。
パッケージもこれまでのプロアルテシリーズからは一新されています。
同じパッケージでエレキ弦やアコギ弦も用意されており、これまでとかなり装いが変わりました。
ホームページには、

EXP弦で使用されているナイロンコア弦よりも弦寿命とチューニングの安定性が高いコンポジット弦に最新のマイクロコ ーティング・テクノロジーを施したベース弦と正確なイントネーションを誇るPro-Artéのトレブル弦の組み合わせで、実現が難しいと言われてきたノンコーティング弦のようなナチュラルなトーンとタッチフィーリングを併せ持ったロングライフ の弦がついに完成しました。

XTシリーズは独自のコーティング・テクノロジーによってかつてない長寿命化を実現。強度、ピッチ安定性、耐腐食性に おいてこれまでのコーティング弦にはなかった高いパフォーマンスを誇ります。

https://kcmusic.jp/daddario/cguitar.html

要するに、プロアルテシリーズのEXP Classicalの低音弦の耐久性を高める加工を施したものと考えておけばいいのでしょうか。

4) Student Classics, Folk Nylon

残りの2つの種類がStudent ClassicsFolk Nylonです。

プレーヤーを選ばないStudent Classics
ギター初心者からプロまで と弦の解説にもあり、広い層に使用してもらえるように開発された弦です。ナイロンコア、ナイロン弦の組み合わせで、他のプロアルテシリーズの廉価版という印象があります。

ボールエンドのある
Folk Nylon
ボールエンドが付いていることから、フォークギターやサイレントギター、エレガットと呼ばれるような楽器に取り付けやすくなっています。
こちらもナイロンコア、ナイロン弦の組み合わせです。

5) 使用感

弦の種類が多いので、細かな使用感については別の機会とさせていただきます。個別に記事ができた場合はこちらにリンクを付け足したいと思います。

私のスペイン製のギターには、低音弦のダイナコアのノーマルテンションを使用しています。(高音弦は別メーカ)
その使用感は、しっかり鳴ってくれているという感じです。
最近、ハードテンションで別のギターを弾いていただけに、たまにノーマルテンションを弾くと指がもたつくように感じてしまいます。しかし、それはテンションの問題でハードテンションでもノーマルテンションでも伸びのある良い音が鳴っていると思います。

とても長い文になってしまいましたが、これでダダリオ社の弦の解説を終えます。最後までありがとうございました。

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