ギターの弾き方と爪のお話 2 爪の影響力
みなさんは日頃の練習て、音色に対してどれだけ高く意識を向けているでしょうか。
残念なことに、この意識の差は演奏会や発表の場で露わになってしまいます。
音色が表現を支える?
ご周知のように、曲を演奏する場合、単に楽譜を追うだけでなく緩急をはじめ強弱などのを様々な変化をつけなければ、感動できる演奏は望めません。
さらに、こういった表現の前提として、ギターから作り出される音色が表現の質に影響を与えることになるのです。
合奏では、同じパートの音に紛れてしまって、ついないがしろにしてしまいますが、少なくとも独奏曲の練習をする場合には気を払うようにしておきたいものです。
音色を支える爪と弾き方
そこで本題。爪のお話です。爪は音色に対して大きな影響を及ぼします。それは、形だけでなく、前の記事でも述べた指のどの部分で弾くのかということとも関係があります。
例えば、アポヤンド=硬い音 アル・アイレ=柔らかい音 と思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
確かにそのような傾向はあるにせよ、アポヤンドであれ、アル・アイレであれ、理想としては、それぞれに柔らかい音、硬い音(他の言い方や表現方法も含めて)を使い分けられるように練習しておく必要があるのではないでしょうか。
どんな場面でも同じ音で、爪の音をカチャカチャと鳴らしながら弾いてしまっているのならば、今一度、爪そのものや弾き方について見直す必要があると言えます。
また、爪について試行錯誤を始める前に、先人達が考えてきた右手のフォームについても考えてみる必要があります。
ともすれば、フォームの悪さを爪の形で補おうとしたり、逆に爪の形のためにフォームを崩してしまったりと、鶏と卵のようになってしまいます。
小休止。
爪とフォーム、弦の弾き方の話にまで内容が広がってしまいました。編集者の熱量のために、ついつい話が広がってしまったという感もありますが、音色に意識を向けるということは、良い音色て演奏すふには、
つまり、爪の研ぎ方や形だけでなく、フォームや指の動きにまで関心を払はなければならないということに帰着するのです。
内容をもう一度整理すると、感動を呼ぶ演奏は、音色に支えられた表現によって成り立っている。
そして、音色は
1. 爪の長さと形
2. 弾き方
3. 手の位置と弦に対する角度
4. 指先と爪の軌道
5. 指先と弦の接し方
6. 弦にかける圧力の大きさ
7. 弦からの離れ方
これら全ての要素によって成り立っている と言えるのです。
またこれらの要素は、お互いに影響し合っていて、例えばアポヤンドで音を出す場合は、手の位置が微妙に変わり、弦を捉えれる位置もまた微妙に変化し、そのことよってその場に相応しい音となって演奏全体を支えていくということになります。