ギターの弾き方と爪のお話 1

指〜爪のどこを使って演奏するのか

何を隠そう、編集者の私は、クラシックギターを始めて間もない頃は、クラシックギターは爪だけで弾くものと思っていました。

間違いではないのですが、現代では「爪のみ」で弾くということは、あまりなさそうです。

どんな音を出したいのか、ということと爪の当て方は密接に関係しているので、常にこの弾き方がベストというわけではありません。

しかし、現代の弾き方として広く採用されているのは、「爪だけ、爪のみ」の演奏ではなく、「指頭〜爪」を使った弾き方であるということです。

この、「指頭〜爪」の弾き方には演奏者の苦難が隠されています。

ということで、シリーズとして、指のどの部分を使って音を出すのか、また、そういった取り組みが演奏にどう影響するのかという記事を作っていきます。

試行錯誤の歴史

ギターを演奏する場合、「指頭のみ」の奏法、「爪のみ」の奏法、「指頭〜爪」の奏法があることはよく知られているところです。このうち現代では「指頭〜爪」の奏法が最もよく取り入れられている方法です。しかし、この「指頭〜爪」の奏法が確立したのは比較的最近のことであり、その最大の功労者がセゴビアというわけです。

アグアド、ジュリアーニ、カルリらは「爪のみ」で演奏したいた奏者としてしられています。

「お、私と同じだ!」声とは、かけ離れた理由がきっとあるはずです。(私の場合は単に無知なだけ)

一方で、ソル、カルカッシらは「指頭のみ」で演奏していたと言われています。
後にアグアドはソルの影響で「指頭〜爪」の奏法を採用するようになり、また、タレガは爪の長さについて生涯悩み続け、爪を伸ばしたり切ったりを繰り返していたようです。
それは、右手を弦に対して直角に構えていたために、どうしても爪の衝撃音が出てしまったためだと言われています。

セゴビアは右手を少し捻ることによって、この衝撃音の問題を解決させ、ギター史においては画期的な技術進歩をもたらした・・・というといかにも感動的ですが、爪の音を避けるために右手を捻るくらいのことは誰しも考えつくことで、セゴビアだけにスポットライトが当たると、それ以前の人々がまるで何も考えなかったかのような印象を与えてしまいます。

もとい。

日頃、私たちが採用している「指頭〜爪」の奏法は、一朝一夕に広まったものではなく、先人の苦労の賜物だということにして、肝に命じておいても良いでしょう。