クラシックギターの魅力
これからクラシックギターを始めようとお考えの方、かつて少しかじってみたけどもう一度やってみようかとお考えの方
クラシックギターの演奏は
ライブというよりもコンサートで
歌うよりも静かに聴く
といった印象なのではないでしょうか。
ここでは、クラシックギターと他のギターとの違いに重点を置きながらその魅力についてまとめていきます。
エレキ?アコギ?クラギ?
最初に最も多くある質問から。
クラシックギターは、エレキギターとアコースティックギターとどう違うのか。
どれも6本の弦が張ってあり、チューニング(弦の調整)も同じになっているのに大きな違いがあります。

エレキギターとの違い
エレキと言われるように、ギターにシールド(導線)を接続し、電源を用いてアンプを通さなければ、弦そのものはほとんど音が鳴りません。
一方でエフェクターなどの機器を通すことで何種類もの音を出せる他、屋外の会場で数万人聞こえる音量を出せることも大きな違いです。
アコースティックの意味
アコースティック[acoustic] 本来「聴覚の」という意味。 音楽では、ピアノやフォーク・ギターなど、電気を使わない楽器をアコースティックな楽器と呼び、それ等で演奏されるサウンドをアコースティック・サウンドという。
コトバンクより
というわけで、アコースティックギターと言うと、本来はクラシックギターもその中に含まれることになります。
しかし、一般的に広まっているアコースティックギターは、”ゆず”や”押尾コータロー”さんが持っているギターという認識なのではないでしょうか。
また、フォークギターという呼び方もあります。これは、かつてフォークソングが流行った頃にアコースティックギターを持って歌ったことからついた名前だと考えられます。
※諸説あり
で、クラシックギターは?
呼び方の違いだけを長々と書きましたので、ここら辺からは具体的な違いについて書いていきます。
弦の違い
クラシックギターの弦は、エレキやアコギの弦が全て金属なのに対し、高音域の1〜3弦はガット(羊腸)、ナイロン、カーボンなどを張ります。
クラシックギターをガットギターと呼ぶのは弦に羊腸を用いるのが主流だった頃の名残です。
音の出し方の違い
クラシックギターは、指と爪で弦を弾いて音を出します。
アコギも同じような弾き方をすることはあり、その場合はフィンガーピッキングと呼ばれることもあります。
しかしながら、エレキ同様にアコギもピックを使って弦を弾くことが多く、全くピックを使わないクラシックとは大きな違いと言えるでしょう。
立って弾く?座って弾く?
クラシックギターは座って弾きます。
座ってギターを抱きかかえるように弾くことが多く、そのための脚台や支持具もあります。
エレキやアコギはギターにストラップ(身体から吊るすグッズ)をつけられるようにできているので、立ったままでも座っても弾くことができるようになっています。
ここで3つのギターの音の出仕方や特徴の違いを一覧にします。
エレキ
スタイル:ほぼ立って弾く
鳴らし方:ピック
電 源:必要
フレット:21~24
弦の材質:全て金属
アコースティック
スタイル:立って弾く
鳴らし方:ピック
電 源:基本的に不要
フレット:21〜24
弦の材質:全て金属
※アンプにつなぐことも多い
クラシック
スタイル:座って弾く
鳴らし方:指と爪
電 源:不要
フレット:19 or 20
弦の材質:低音は金属
高温はナイロンやカーボン
クラシックギターの魅力
ギターの種類の違いからだけでもわかるように、クラシックギターは他のギターと比べても大きな音をだせる楽器ではなく、弦の振動とそれによっておきる表面板との共振による音だけに頼る楽器です。
どちらかというと、楽器としてはあまり大きな音を出せる楽器ではありません。
また、左指で弦をおさえて弾いたところで、素直に音は鳴ってくれません。
楽器としては音を出しやすい楽器ではありません。
そんなクラッシックギターの何がいいのでしょうか。
ソロでも合奏でも
クラシックギターに限らず、ギターはメロディ単音でも和音でも、きれいな音を出せる楽器で、メロディと伴奏をひとりで同時に弾けるという特長も持ち合わせています。
また、クラシックギターの楽しみはソロだけでなく、2人以上で合奏し、ギターの本体や弦をパーカッシブに叩いたりして、様々な音を重ね合わせるのも楽しみと言えます。その他にも、クラシックギターは、歌や、他のソロ楽器とのセッションも楽しめます。
音質に幅がある
ナイロン弦や最近のカーボン弦は微妙なタッチの差を忠実に表現してくれます。爪の当て具合や指のかかり具合で、音のニュアンスや強弱も繊細に表現することができます。ハープやチェロやフルートに似せた音や、弦の張力を活かして細く硬い音から太く柔らかい音まで、いろいろな音が出せます。
比較的持ち運びしやすく場所を選ばない
もっと小さな楽器には敵いませんが、楽器としては持ち運びしやすいと言えるでしょう。さらに、屋内外問わず演奏したい場所で音を奏でることができるのも魅力です。
場所によっては、ギターの弦や木を痛めてしまうこともありますが、丁寧に扱っている限りは大丈夫です。
ちょっと車に積んで…と旅行や遠出にも肌身離さず持って行きやすいのもギターの魅力ですね。
ホールに響く音を感じられる
クラシックギターはピアノの演奏のようにコンサートホールで演奏されることの多い楽器です。
ホールの規模によっては、クラシックギターでは大きすぎる場合もありますが、一音一音紡ぎ出すように奏でるギターの音は、時には近代、時にはスペインといったように、時間と空間を作り出してくれる楽器でもあります。
その為には練習も必要ですが・・・。
まだまだクラシックギターの魅力は語りつくせません。
実際に手にとって、弾いてみて色々な魅力を感じ取ってみてください。
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